飲食店営業許可について

カフェやバー、スナックなどの飲食店を営業したい場合、食品衛生法に基づく許可を得る必要があります。
飲食店としての許可のほか、営業形態によっては風俗営業、深夜酒類提供飲食店営業、特定遊興など風俗営業法に基づく許可申請・届出もしなければなりません。
ここでは、飲食店営業のための手続きと、配慮すべき関連法令について紹介します。

営業許可が必要な業種

食品衛生法施行令第35条では、次の32業種が許可を要する業種として指定されています。ここで紹介するのは、このうち第1号の飲食店営業についてです。

飲食店営業、調理機能を有する自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業、食肉販売業、魚介類販売業、魚介類競り売営業、集乳業、乳処理業、特別牛乳搾取処理業、食肉処理業、食品の放射線照射業、菓子製造業、アイスクリーム類製造業、乳製品製造業、清涼飲料水製造業、食肉製品製造業、水産製品製造業、氷雪製造業、卵液製造業、食用油脂製造業、みそ又はしょうゆ製造業、酒類製造業、豆腐製造業、納豆製造業、麺類製造業、そうざい製造業、複合型そうざい製造業、冷凍食品製造業、複合冷凍食品製造業、漬物製造業、密封包装食品製造業、食品の小分け業、添加物製造業

また、縁日や祭礼などでの露店や、自動車での営業にも許可が必要です。

申請等管轄窓口

飲食店営業許可申請の窓口は、営業所の所在地を管轄する保健所です。たとえば大阪市では次のように管轄の生活衛生監視事務所に申請することになります。

北部生活衛生監視事務所北区、都島区、淀川区、東淀川区、旭区
西部生活衛生監視事務所福島区、此花区、西区、港区、大正区、西淀川区
東部生活衛生監視事務所中央区、天王寺区、浪速区、東成区、生野区、城東区、鶴見区
南東部生活衛生監視事務所阿倍野区、東住吉区、平野区
南西部生活衛生監視事務所住之江区、住吉区、西成区

営業までの流れ

①事前相談
申請に際し事前相談は必須ではありませんが、内装工事などをする前に店舗の設計図面を持参のうえ窓口で相談しておくことが推奨されています。
なお、屋号の規制はありませんが、表現に差別性のあるものや不快感を与えるもの、又、公序良俗に反するものでないように留意が必要です。

②許可申請
下記の書類等を用意し、許可を申請します。
オープン予定日の2~3週間前に手続きをしましょう。

・営業許可申請書 1部
・営業施設の構造及び設備を示す図面 2部
・食品衛生責任者の資格を示す書類のコピー
・法人登記事項証明書(申請者が法人の場合)
・水質検査成績書(井戸水等を使用する場合)
・ふぐ処理登録者証(ふぐの処理を行う場合)
・許可申請手数料(現金納付、固定店舗の飲食店営業で16,000円。)

なお、大阪市では食品衛生申請等システムによる電子申請が可能です。
ただし申請手数料は生活衛生監視事務所での現金納付が必要です。

③営業所の調査
食品衛生監視員による営業所の調査があります。飲食店を営業するために必要な設備基準を満たしているかを確認され、基準を満たしていない場合は再検査となることがあります。
調査に合格すると、営業許可証の受領可能日が記載された通知書を交付されます。
なお、施設基準は自治体により異なるため、詳細は各窓口で食品衛生監視員に確認することとなります。

④営業許可証交付
上記通知書記載の交付日以降、許可証の受領が可能となります。

⑤営業開始
許可には期限が定められますので、期限前に更新が必要です。

許可の基準

許可を申請するためには、次の点を満たすことが必要になります。

食品衛生責任者の配置

食品衛生責任者とは「営業者の指示に従い、HACCPに沿った衛生管理など施設における衛生管理にあたる人(大阪市)」のことです。食品衛生責任者養成講習会を受講すれば取得できるほか、次のような方は食品衛生責任者となる資格を持っています。
飲食店営業にあたっては、この食品衛生責任者を置く必要があります

  • 食品衛生監視員又は食品衛生管理者になる資格要件を満たす者(医師、歯科医師、薬剤師、獣医師あるいは医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者 等)
  • 調理師、製菓衛生師、栄養士又は船舶料理士
  • と畜場法第7条に規定する衛生管理責任者若しくは同法第10条に規定する作業衛生責任者
  • 食鳥処理衛生管理者になる資格を有する者

施設基準

飲食店営業を営む際に満たすべき施設基準が定められています。
下記は一例であり、自治体により異なるため、詳細は管轄窓口への確認が必要です。

  • 床、内壁、天井は容易に清掃・洗浄・消毒ができる構造であること。
  • 2槽シンク
  • 手洗い設備(2槽シンクとは別に)
  • 洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造の水栓(レバー式、センサー式など)
  • 汚染等防止
    (埃や排水、廃棄物による汚染、ねずみや昆虫の侵入を防止できる設備)
  • 冷蔵冷凍設備
  • 保管設備
    (原材料を適切な温度、汚染の防止可能な状態で保管できる十分な大きさの設備
     洗浄剤、殺菌剤等の薬剤は、食品等と区分して保管する設備、など。)
  • 従業員の更衣場所
  • 清掃用具
  • 従業員が使用できるトイレ(専用の流水式手洗い設備を備えていること)
  • 廃棄物容器

関連法令

上記のほか、店舗の規模や営業形態によっては次のような他法令の規制を受けることがあるため注意が必要です。

消防法

従業員を含む店舗収容人数が30人以上となる場合、防火管理者の有資格者を置くことが消防法で定められています。防火管理者には床面積に応じて甲種と乙種の2種類があり、いずれも日本防火・防災協会の防火管理者講習を受講すれば取得できます。

収容人数延べ床面積必要資格
~29人不要
30人以上300㎡未満乙種防火管理者
30人以上300㎡以上甲種防火管理者

風俗営業法

営業形態として下記に挙げるようなものをお考えの場合、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下風適法)に基づく許可申請や届出が必要になります。

接待飲食等営業(風適法第2条第1項第1号~第3号)

第1号 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
第2号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
第3号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの

上記営業にあたっては、午前0時~午前6時までの深夜は営業できないこと、保全対象施設から100メートルの区域内では原則営業できないことなど、さまざまな許可要件に注意が必要です。
客室内の詳細な図面作成や保全対象施設が存在しないことを確認するための実地調査も要するため、単純な飲食店営業と比して格段に難しい手続きとなります。

特定遊興飲食店営業(風適法第2条第11項)

ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る。)をしたい場合は、許可申請が必要です。
「遊興をさせる」については、「主として、ショーや演奏の類を客に見聴きさせる鑑賞型のサービスと、客に遊戯、ゲーム等を行わせる参加型のサービス」とされており、具体的には次の例が挙げられています。

  1. 不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為
  2. 不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為
  3. 客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
  4. のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為
  5. カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為
  6. バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為
  7. 上記のほか、営業者側の積極的な働き掛けにより不特定の客に遊び興じさせる行為

また、営業可能な地域が条例によって定められており、保全対象施設の存在にも注意が必要です。

深夜酒類提供飲食店営業(風適法第33条)

客に酒類を提供して営む営業のうち、午前0時から午前6時までの時間において営業する場合、届出が必要です。
大阪府では住居地域での深夜酒類提供飲食店の営業が条例で禁止されているため、深夜営業を考えている場合は用途地域に注意しなければなりません。
ただし、営業時間中常に主食を提供している営業であれば届出は不要です。主食には米飯、パン、麺類、お好み焼きなど社会通念上認められる食事が該当しますので、牛丼店、ラーメン店などはお酒を提供していても深夜酒類の届出をすることなく営業することができます。

飲食店営業許可の申請は行政書士にご相談を

飲食店営業許可そのものは自力で申請される方も多く、比較的やさしい手続きです。
とはいえ、開業準備が忙しく許可申請の準備にあてる時間がとりにくい場合は、手続きを行政書士に代行してもらう選択肢もあります。
また、上記のようにお酒を提供したりお客様への接待を伴う営業形態の場合は、風俗営業法関連の手続きも必要となることがあります。いわゆるコンカフェなどでは、風俗営業許可が必要という認識の無いまま接待行為を行い摘発される事例もあります。
開業準備が忙しい方、必要な許可の判断に悩んでいらっしゃる方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

報酬

飲食店営業許可申請50,000円~
深夜酒類提供飲食店営業開始届 100,000円~
風俗営業許可申請250,000円~
※税抜
※飲食店営業許可申請と風適法関連申請・届出と併せてご依頼いただいた場合は、飲食店営業許可申請について割引いたします。

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